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FUNCTION
実際の宇宙空間では極限状態のため過酷な熱環境が想定される.そこで以下の要求が生じる.

    · 宇宙空間での動作温度範囲の把握
    · 各機器の動作適温範囲を満たすような温度環境をつくる
    · 各基板の配置の調整

そこでこの熱解析の必要性が生じ,この部門が設立された.


Thermistor
今後の衛星開発のためにも,実際に宇宙空間に打ち上げられた衛星の熱環境を知ることは非常に重要だと考えられる.
特にCUTEのように学生主導による衛星開発には,実際に軌道上に打ち上げられた衛星の環境の情報が乏しい.
よって,今後のためにCUTEがさらされる熱環境を計測するためにサーミスタを搭載する.
このサーミスタによって,実際に軌道上に打ち上げられたCUTEの熱環境を知ることができる.


使用するサーミスタは以下の製品を使用する.


またCUTE内の温度計測点はこちらを参照にされたい.


今回CUTEで使用するサーミスタに対してキャリブレーションを行った.
その温度範囲は-25〜30℃で行った.一例として,電源に取り付けているサーミスタの校正曲線を以下に載せる.





THERMAL ANALYSIS

熱解析については有限要素法における解析ソフトを用いて行う.
その際に熱真空試験の結果を参照にして,解析の精度を上げることを試みた.
このときの熱解析条件を以下に示す.

モデルとしては以下のようにメッシュを切ったものを採用した.


またモデルの各部分の名称は以下のように定義する.


熱入力は,熱真空試験時の1つの条件である,1面に13Wの熱入力がある場合を想定して解析を行った.

また宇宙の温度を3Kとし,以下に今回用いた材料物性値を載せる.
Al6061 PBT樹脂 鉄(SUS304) 太陽セル リチウムイオン電池
熱伝導率 [W/m2] 180 0.2326 499 962 886.07
比熱 [J/kg/K] 896 2093.5 16 0.265 35
密度 [kg/m3] 2700 1310 7920 1811 2746.5


またその他の条件として以下の条件を付け加えた.

    · 解析ソフトの制限のためすべての物質は灰色体と仮定.
    · 各物質の輻射率は宇宙にさらされている壁面については,黒色塗料が塗ってあると考え一律0.9とし,
      Cute本体の内部の壁面(アルミで黒色塗料の塗ってないもの)については一律0.3とした.
      また,基板等の樹脂系が主な構成要素となっていると考えられるものは輻射は0.06とした.
    · 各素子の発熱はその素子の乗っている基板そのものが発熱していると仮定.その発熱量は消費電力と等しいとする.
    · 輻射は面積の大きいところでのみ行われるとし,基板の厚み方向や柱の面などには定義しない.
    · 初期条件はどのくらいになるのか予想できなく全部一様に273Kとした.
    · 解析時間は80000sとした.


まず熱真空試験結果の一部を以下に載せる.単位は℃である.

Wall0

Wall1 Wall2 Wall3 Wall4 Wall5
-30.8 180 0.2326 499 962 886.07
DJC1 DJC4 CommBox Battery CommBoard OBCBoard
-20.3 -21.6 -23.6 -20.4 -24 -11.4
センサ-基板1 センサ-基板2 電源基板 DCDCコンバータ インターフェイス基板 パドル下(Wall6)
-16.7 -26.2 -13.1 -9.7 -21.4 -80.5
Wall5裏(外) 柱1 柱2 柱3 柱4
-52.7

-25.8

-51.6

-45.2 -44.7  


次に熱解析の結果を以下に載せる.



RESULT

 以上の解析結果と熱真空試験結果を比べてみると,大まかな温度分布はあっているが,細部の温度分布までは完全には一致していない.熱真空試験の時は,紐でCuteを吊るしていたり,サーミスタのための配線が実際にはあり,その影響を解析では考慮していないので,そのことも一致していない理由の一つと考えられるであろう.今後は,実際に宇宙空間に上がったCuteの温度をモニタリングしながら,より解析の精度を上げていき,熱解析の技術を蓄えていくことにしたい.


     



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