The challenge for variable shape systems
可変形状システムへの挑戦
近年,超小型衛星の普及が急速に進んでいます。 低コストで短期間での開発が可能であるという強みを生かして、多数機のコンステレーションによる地球観測や通信サービス、天体観測、深宇宙探査など 行われるミッションも多様で、高度なものになっています。 これにともない、特に姿勢・軌道制御などにおいて、超小型衛星に対する要求が高まっていますが、 超小型ゆえに体積や電力の制約が厳しく、現状の手法で高度な制御を行うのは限界があります。 そこで、私たちは機器の多機能化として「可変形状システム」に着目し,衛星の形状を軌道上で変化させることで姿勢・軌道制御を行うという新たな制御手法を提案しました。
可変形状システムによって次のようなことが実現できます
1. 内力を用いた姿勢制御
 これは、衛星システムの一部を駆動させて形状を変化させることで、 衛星内部で反作用トルクが発生し、衛星の他の部分の姿勢が変化するという仕組みです。 ひばりでは太陽電池パドルを駆動させることで、衛星本体の姿勢を変更させます。 この手法はリアクションホイールやコントロールモーメントジャイロといった従来の姿勢制御アクチュエータと比較して、 エネルギー効率が高いことが示されています。
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2. 外力を用いた軌道・姿勢制御
 軌道上の衛星には大気抵抗や太陽輻射圧などの外力がはたらいています。 この大気抵抗や太陽輻射圧は表面積によってその外力の大きさや向きが変化します。 一般的に制御の外乱となるこれらの外力を、形状変化させて積極的に利用することで軌道・姿勢制御が可能となります。 例えば、地球低軌道での大気抵抗力を利用したデオービットやフォーメーションフライトへ応用できます。 さらに、外力トルクを効果的に用いることで、RWのアンローディングなどに活用できると考えています。
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3. 可変形状による衛星機能の変更
 形状を変化させることで、衛星機能を変更することが可能となります。 現在、JAXA宇宙科学研究所(ISAS)を中心にトランスフォーマー宇宙機の研究開発が行われています。 トランスフォーマー宇宙機は軌道上で形状を変化させ、観測機器の配置を変えることで、単独望遠鏡モードや干渉計モードなど、 ミッションに応じた機能へ変更することが可能です。 さらに、スターシェードや能動的な熱制御など様々な応用が考えられます。 ひばりでは衛星機能変更の実証は行いませんが、世界初の可変形状宇宙機として、これらの先駆けとなります。
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